刑事事件で加害者と示談するべき?どうする?

コラム

~示談のタイミングが結果を大きく左右することもある~


👥 登場人物

🧑‍🎓 ダイキ:刑事事件の被害に遭った友人から相談を受けた法学部生

👨‍⚖️ たいじゅ先生:刑事事件に詳しい、少しだけ優しい弁護士


加害者側の弁護士から突然連絡が…

🧑‍🎓 ダイキ:「たいじゅ先生、友人が刑事事件の被害に遭ったんですが、加害者の代理人弁護士から『示談をしたい』って連絡が来たそうなんです。」

🧑‍🎓 ダイキ:「でも、提示された示談金が妥当なのか全然分からないって困っていて……。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「それはよくある相談だね。示談金が妥当かどうかの判断は難しいし、答えが出ないことが多いからね。とりあえず、示談をするときに知っておくべき背景事情から説明していこうか。」


✔️ 加害者側が急いで示談したい理由

🧑‍🎓 ダイキ:「加害者側はどうしてそんなに急ぐんですか?」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「加害者側の弁護士が示談を申し入れる場合、多くは検察官に不起訴処分にしてもらうことを目指しているんだ。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「示談が成立すると、被害者とのトラブルが解決した事情(被害回復)として考慮されることがあるからね。不起訴になる可能性が高くなるんだよ。」

🧑‍🎓 ダイキ:「だから検察官が判断する前に示談したいんですね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「そのとおり。だから加害者側は、起訴か不起訴かが決まるまでに示談を成立させたいという気持ちが強く、示談成立のために示談金の増額にも応じてくれることが多いよ。」


✔️ 示談の連絡が来たら、早めに弁護士へ相談を

🧑‍🎓 ダイキ:「じゃあ、被害者はどうすればいいんでしょう?」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「まずはできるだけ早く弁護士へ相談することだね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「加害者側は時間との勝負だと思って交渉してくることが多いから、被害者側も早めに対応しないと、十分な検討ができなくなってしまう。悩んでいるうちに検察官が起訴か不起訴を判断する時間になって、増額交渉もできないままに、示談金を受け取るか受け取らないかを判断することになってしまうよ。

🧑‍🎓 ダイキ:「ゆっくり考えていたら、増額交渉のチャンスを逃すこともあるんですね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「そうだね。検察官も示談交渉の状況を気にするから、交渉状況をある程度の考慮はしてくれるけど、被害者のために処分の判断を遅らせてくれる・・・というのは期待しない方がいいね。」


✔️ 示談金の増額交渉は「タイミング」が重要

🧑‍🎓 ダイキ:「もし提示額が低いと思ったら、増額を希望する交渉してもいいんですか?」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「もちろん交渉はできるよ。ただし、タイミングがとても重要なんだ。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「検察官が起訴・不起訴を決める前であれば、加害者側には『示談を成立させたい』という事情があるから、増額交渉に応じてもらえる可能性がある。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「でも、一度起訴・不起訴が決まってしまうと、可能性は低くなるね。もちろん、刑事裁判の結果を軽くしたい(執行猶予付き判決が欲しい等)という希望が加害者側にあれば、増額交渉が成功する可能性は高くなるよ。ただ、示談をしても、しなくても刑事裁判の結果に大きく影響しない場合や、加害者にとって起訴されないかが一番大事なことだった場合には、増額交渉の成功率は低くなるよね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「だから、起訴後に増額交渉をしても、応じてもらえる可能性は低くなってしまうケースもあるよ。」

🧑‍🎓 ダイキ:「つまり、交渉するなら検察官が判断する前がいいんですね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「なるべく、そうした方がいいと思うよ。もちろん、提案された金額で納得できない場合には、民事訴訟等で被害回復をする方向性もあるよ。ただ、訴訟等で解決する場合には、自分たち側の弁護士費用が高額だったり、加害者側から回収できる可能性が未知数だったり、解決までに長期間かかったりするから、方向性を判断するのは難しいよ。


✔️ 示談書を作成しないと示談金は受け取れないことが多い

🧑‍🎓 ダイキ:「示談金って、先に振り込まれるんですか?」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「実務では、示談書を締結してから、その後に示談金を支払うという流れが一般的なんだ。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「だから、示談書に署名・押印をしない限り、示談金は支払われないケースがほとんどだよ。」

🧑‍🎓 ダイキ:「なら、示談書に署名押印しないと、お金は受け取れないんですね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「そうだね。示談をしてお金を受け取るか、示談をせずにお金を受け取らないかの二択だね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「刑事裁判が終わってから、僕に示談の連絡をしてくる被害者の方もおられるのだけれど、刑事事件が終了してるから僕は代理人弁護士ではないから示談交渉に応答できないから、直接加害者に連絡をとってもらうようにお願いしているよ。ただ、それって非常に辛いことだからね、僕としては、示談をできるときに示談をして少しでも被害回復をした方がいいのではないかな・・・と思たりもするんだよ。


✔️ 「処罰してほしい」と「お金も払ってほしい」の両立は難しいことも

🧑‍🎓 ダイキ:「被害者としては、加害者にきちんと刑事責任を負ってほしい気持ちもありますよね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「その気持ちはとても自然なものだよね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「ただ、刑事責任を追及した結果、加害者が仕事を失ったり、収入がなくなったりすると、示談金や損害賠償を支払う能力が低下することも少なくないよ。だからこそ、起訴を免れるために示談金を払いたいという気持ちが強くなるんだ。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「『刑事責任をしっかり負わせたい』という思いと、『できるだけ補償を受けたい』という思いは、場合によっては両立が難しいこともあるんだ。被害者にとっては厳しい事情だけれど、そういう状況にあることは知っておかないとね。」

🧑‍🎓 ダイキ:「だからこそ、自分が何を優先したいのかを考えながら判断することが大切なんですね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「そうだね。」


📝 ダイキの今日の学び

🧑‍🎓 ダイキ:「今日のお話で、加害者と示談するときの判断材料が知れてよかったです。」

🧑‍🎓 ダイキ:「示談にはタイミングも大切で、特に検察官が起訴するかどうかを決める前が重要なんですね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「そのとおり。『納得できないから、とりあえず放置する』という判断は後悔につながることがあるからね。被害に遭って辛い中で酷だろうけれど、踏ん張りどころとして頑張ってほしいね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「示談が成立すると、加害者にも利益はあるけれど、被害者も弁護士費用や時間等のコストをかけずに、被害回復を受けられるというメリットはあるからね」

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