略式起訴って何?簡単に説明しました!

コラム

ニュースでよく聞く略式起訴について、しっかりと把握している方は少ないと思います。「略式」という言葉から、「なんか大したことないのかも」とか思っている方もいるかと思います。

 しかし、実はこの略式起訴、安易に受け入れてしまうと後々に後悔する可能性がある重要な刑事手続きです。

 この記事では、略式起訴とは何か、そのメリット・デメリット、そして受け入れる前に考えるべきことをわかりやすく解説します。


略式起訴とは?

 略式起訴とは、刑事事件において、書面での審理のみで罰金または科料の刑罰を言い渡す特別な裁判手続きです。この略式起訴の対象となる事件は、主に比較的軽い事件(暴行、窃盗、道交法違反など)で、被疑者が被疑事実を認めており、100万円以下の罰金刑か科料で済ませることが想定されている場合です。

 そのため、検察官が、「今回の事件は罰金刑ではなく、懲役刑が相当だ」と判断すれば、略式起訴ではなく、ドラマでよく見る正式な裁判を行うこととなります。

 略式起訴の手続きとしては、検察官が略式起訴を求め、被疑者がそれに同意した場合に、簡易裁判所の裁判官が書面審査だけで有罪・罰金の判断を下します。実際の法廷には被告人も検察官も出ず、短時間で処理できる点に特徴があります。


略式起訴のメリット

  • 正式な裁判が開かれないため、通常の裁判よりも圧倒的に早く終わる。
  • 罰金で済むため、刑務所に行く心配をしなくてよい。
  • 書面審査で終わるため、被告人が裁判所に何度も出向いたり、法廷でのやりとりがない。

でも…安易に受け入れてはいけない理由

1. 有罪が確定する

 略式起訴で罰金刑を受け入れるということは、有罪判決を自ら受け入れることと同じです。「前科」がつきますので、資格や海外渡航の際のビザ申請などに影響することがあります。

2. 無罪や不起訴の可能性が消える

 略式起訴では、書面での審査になります。そのため、被疑者の言い分を裁判官に伝える機会はありません。また、被告人側から、何か書面等の証拠を提出することもできません。検察官から提出された書面のみで判断されます。そのため、もし実際には無実だった場合でも、略式起訴を選ぶと裁判で争うチャンスがなくなります。

3. 十分な証拠がなくても進められることがある

 略式起訴は証拠の審査が簡易に行われ、被疑者も被疑事実を認めているため、不十分な証拠でも有罪が確定してしまうリスクが大いにあります。また、中には、違法な捜査方法で収集された証拠(本来なら証拠として用いることができないもの)も含まれている可能性もあります。


略式起訴に同意する前に確認すべきこと

 そのため、略式起訴に同意する前に、必ず弁護士に相談をして、自分の行動が本当に犯罪に該当するのか、時間をかけて争うべきなのか等を相談する必要があります。


まとめ

 略式起訴は「軽い処分だから…」と簡単に考えてしまいがちですが、有罪が確定する重大な手続きであり、人生に大きな影響を与えます。

 迷ったとき、少しでも不安を感じたときは、大樹綜合法律事務所の八木に相談してください。


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