🧑‍⚖️【刑事事件のポイント】勾留理由開示手続きってなに?メリットと注意点も解説!

コラム

🎭 登場人物

🧑‍🎓 ダイキ:法学部の学生。友人が逮捕・勾留されて、「勾留理由開示」という手続きを知る
👨‍⚖️ たいじゅ先生:刑事弁護に詳しい、少しだけ優しい弁護士


📞 勾留理由開示って…一体なに?


🧑‍🎓 ダイキ:「たいじゅ先生、友達が勾留されてしまって…。ニュースとかで“勾留理由開示請求”って言葉を見たんですけど、これってどういう手続きなんですか?

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「君の周りは大変だねぇ。。それはともかく。それはね、裁判所に“なぜ勾留されたのか理由を説明してください”と求める手続きのこと。憲法34条と刑事訴訟法82条に根拠がある、とても大事な制度だよ。」

🧑‍🎓 ダイキ:「そうなんですね。あまり見聞きしない制度なので、よくわかりませんでした。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「そうだね。残念なことだけれど、この制度の利用状況はほんとうに少なくてね、刑事をやっている弁護士でもやったことはない先生が多いと思うよ。では、この手続きの説明をしていこうか!」


📘 勾留理由開示手続きってどうやるの?


👨‍⚖️ たいじゅ先生:「勾留が決まった後に、本人、弁護人、家族などが裁判所に請求書を出せばスタート。原則として、請求から5日以内に公開の法廷で理由が開示されるよ。

🧑‍🎓 ダイキ:「へぇ、家族も請求できるんですね。」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「そう。誰かが“なぜ勾留されたのか知りたい”と思ったときに使える、重要な制度なんだよ。あと、請求した人が公開の法廷で意見を言うことができるんだ。例えばだけど、家族がこの手続きの請求をして、公開の法廷で『しっかりと本人と同居して監督することを約束します』って言うこともありだよ。裁判所の面前で、しかも公開の法廷で約束することって大きな意味があるよね。だから、弁護士は、弁護士から請求するか、家族から請求するかを考えた方がいい場面だね。」


✅ 勾留理由開示のメリット


✅ ① 勾留の理由が明確にされる

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「“逃亡のおそれ”とか“証拠隠滅のおそれ”といった抽象的な内容ではなく、
実際にどんな事実を根拠にしているのかを裁判官の口から聞ける可能性があるよ
。ただ、デメリットの部分でも説明するけど、実際のところ、抽象的な説明で終わることが多いんだよね。


✅ ② 被疑者・被告人の声が裁判記録に残る

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「裁判官の前で被疑者や弁護人が取調べの違法性などを訴えることもできて、
その発言が調書に記録される。後の裁判でも重要な意味を持つ場合があるんだ。あと、さきほど説明した家族の意見も同様に記録に記録されるよ。


✅ ③ 家族が姿を見られる/声を届けられる

🧑‍🎓 ダイキ:「接見禁止中でも、法廷なら家族や友人が会えるってことですか?」

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「そう。公開法廷だから傍聴できるし、意見陳述も可能だからね。本人の姿を見られるのは大きな安心材料になるよ。ただ、本人との話はできないんだ。声をかけることはできるけどね。」


✅ ④ 世間への情報発信にも使える

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「報道関係者も入れるから、マスコミを通じて不当な取調べや勾留を世間に知らせる場にもなり得るね。」


✅ ⑤ 勾留取消や準抗告のヒントになる

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「説明を聞いたうえで、“勾留理由が弱い”と判断すれば、勾留取消や準抗告を出す材料になることもあるんだ。」


⚠️ 一方で、こんなデメリットも…


⚠️ ① 説明内容が抽象的なことがある

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「裁判官の説明が“一件記録によると、証拠隠滅のおそれがある”、“捜査の密航性から、これ以上の説明はできない”などの形式的な言い回しにとどまってしまい、具体的な事実は明かされないこともあるんだ。本当に悲しいけれど、こういう実態が多くて、弁護士の中でも、“だから、勾留理由開示手続きはやっても無駄”って思っている人がいるんだよね。


⚠️ ② 勾留そのものを取り消す効果はない

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「開示手続きはあくまで“説明”の場。だから、その場で勾留が解除されるわけではないから、過度な期待は禁物だね。」


⚠️ ③ 公開法廷なので、プライバシーの懸念も

🧑‍🎓 ダイキ:「誰でも傍聴できるってことは、被疑者の顔や発言が知られてしまう可能性も…?

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「うん、本人の名誉や今後の影響を考えると、慎重に判断した方がいい面もあるね。まぁ、勾留理由開示手続とか公判期日を、一般の人が事前に知ることは難しいからね。実際に傍聴する人は少ない(ほとんどいない)可能性もあるよ。


⚠️ ④ 情報が記録や報道に残るリスクも

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「意見陳述などの内容が記録や報道に残って、裁判や社会生活に影響を及ぼすケースもある。だから、何を話すか、何を話さないかをしっかりと見極める必要があるよ。ま、大きな事件に限られるリスクだろうね。」


✅ ダイキの今日の学びまとめ


📌 勾留理由開示手続きってこういうもの!

  1. 裁判所に“なぜ勾留されたのか”を説明してもらう公開の手続き
  2. 本人・弁護人・家族などが請求できる(1回限り)
  3. 違法な取調べの記録化、家族との接触、世間への訴えなど多くの効果がある
  4. ただし公開の場なのでプライバシーへの配慮や、即時釈放とは直結しない点に注意

🧑‍🎓 ダイキ:「たいじゅ先生、ありがとうございます!“勾留の理由を聞くための手続き”だと思ってたけど、実際は“戦略的に使える弁護活動の一つ”でもあるんですね。

👨‍⚖️ たいじゅ先生:「その通り!本人や家族の安心、弁護の材料にもつながる重要な制度なんだ。だから、僕は依頼者が勾留されたら、とりあえず、勾留理由開示手続きをしたらいいと思っているよ。手続きの中で、裁判官と話し合って、理由をしっかりと説明してもらえる可能性もあるからね。そこは弁護士としての腕の見せ所だね。」


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